草子と草紙の違い

草子と草紙の違い

草子と草紙の違い

- 概要 -

草子とは挿絵入りの啓蒙的な小説を指す。草紙とは平安時代の仮名文である雅文や、それを真似た擬古文を使用した随筆や物語全般を指す。

- 詳しい解説 -

草子と草紙の違いとは多くの物語を啓蒙や好色物などのジャンルで区切った一つの学問的分類か、平安時代風の書き方をした随筆や物語かである。

草子とは挿絵入りの啓蒙的な小説を指す。特に江戸時代に発展した文学の一つである。室町時代から江戸時代初期にかけて書かれた御伽草子は、例えば物くさ太郎や一寸法師、浦島太郎、酒呑童子など、現代に通ずる有名な話が記されている。また1600年近くから80年間掛けて仮名交じりで出された文学の総称である仮名草子は啓蒙的な話のほか、娯楽要素や実用的要素など複数のジャンルで構成されている。その後出現した浮世草子は仮名草子とは異なり、好色物や怪奇小説などで構成され井原西鶴の「好色一代男」に始まる京都や大阪周辺の上方文化を中心に据えている。

草紙とは平安時代の仮名文である雅文やそれを真似た擬古文を使用した随筆や物語を指す。